A・G・デュットマン「誰が哲学を恐れているのか」―ミドルセックス大学哲学科閉鎖問題 公式HP映画「哲学への権利――国際哲学コレージュの軌跡」

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A・G・デュットマン「誰が哲学を恐れているのか」―ミドルセックス大学哲学科閉鎖問題

ミドルセックス大学哲学科の閉鎖問題は国際的な広がりをみせている。スタッフと学生による平和的な会議室占拠と学術イベント開催は12日間続いたが、大学経営陣は裁判所命令をとりつけて法的な対応に出た。学生らは占拠を中断して、今度は図書館での一晩座り込みなどの新たな手段に訴えている。大学側は5月25日、占拠に加担した4人の学生の停学、3人の教員の停職を決定。この処分に抗してすぐさま、エティエンヌ・バリバールなどから抗議の手紙が届けられた。また、多くの学生・教員らも「ミドルセックスを占拠したのは私です」というプラカードをもって、ユーモラスな抗議行動に出ている。

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アレクサンダー・ガルシア・デュットマン「誰が哲学を恐れているのか」(宮裕助訳)
(2010年5月19日、Institute of Contemporary Artsでの討議における報告の抜粋)
http://www.gold.ac.uk/inc/currentevents/whosafraidofphilosophy/
音声データ:http://backdoorbroadcasting.net/2010/05/who’s-afraid-of-philosophy/

「誰も哲学など恐れてはいないのではないか」――たしかに。しかしもし誰も哲学を恐れていないのだとしても、それは、現実世界にいる多くの人々がなんの恐れもなく哲学に関われるほど自信に満ちているからということではありません。哲学に対して広く浸透した無関心があるのだということを──そう思われている以上に哲学には面白いところがあると私は感じているのだけれども──少なくともさしあたりは認めなければならないでしょう。とすると、この無関心はそれ自体ひとつの徴候であり、まさに隠蔽され抑圧された恐れの徴候であるということではないでしょうか。

しかしなんについての恐れでしょうか。それは、哲学が最終的に目指そうとするものについての恐れです。つまり、物事への不偏で没関心的な関心、議論のための議論への関心(しかしある種の議論を斥けたり議論の限界を追究したりすることから尻込みしてしまうような関心ではない)、アジェンダやイデオロギーにとらわれない概念への関心(しかしアジェンダやイデオロギーそのものを標的とすることから尻込みしてしまうような関心ではない)、心理的な拘束を超えてゆく関心、権力が遮ろうとするところで問題提起を止めない関心、といったものです。哲学の誇張法的な理想主義が試みる根底的で、多くの場合耐え難くもある挑戦──これこそは、政治家や大学の経営者が、たとえそのことを知らずそうした考えを馬鹿げたものだと肩をすくめてやり過ごすのだとしても、最終的に恐れている当のものなのです。〔…〕

〔…〕私たちは今日前例のない状況に置かれています。まさに誰も哲学を恐れているようにみえないからこそ、それだけに哲学への恐れは、つまり妥協なき、しかし無反省ではない哲学への恐れ、恐れを知らない哲学への恐れは、いっそう強力なものとなっているのであり、いまや哲学《一般》がはじめて攻撃に曝されているのです。しかしだからといって、哲学が擁護される必要があるというのではありません。アドルノが述べたように、なにものかを擁護することは、それを断念していることを意味します。そうではなく哲学は、まったく単純に、力強く、アカデミックな諸制度の内外にあって、肯定されなければならないのです。

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[ 2010/05/30 21:56 ] ミドルセックス大学問題 | TB(0) | コメント(-)

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