公式HP映画「哲学への権利――国際哲学コレージュの軌跡」

本ブログでの情報はすべて個人HPに移動しました。今後はそちらでの閲覧をお願いします。⇒http://www.comp.tmu.ac.jp/nishiyama/

ホーム > アーカイブ - 2010年11月

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【報告】「新しい科学技術政策と若手研究者の役割」

2010年11月20日、日本科学未来館での「サイエンスアゴラ2010」において、シンポジウム「新しい科学技術政策と若手研究者の役割」が開催された(主催:日本学術会議若手アカデミー委員会)。

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日本学術会議では、来年度の若手アカデミー委員会の正式な創設に向けて、検討が進められている。今回の催事では、若手アカデミーの将来的な展望が紹介され、日本の学術政策のために若手の結束が強調された。

シンポジウムでは、ポスドク問題に関する提言をおこなってきた医師・榎木英介さんや、昨年の事業仕分けに対して若手研究者たちによる声明を出した「26の若手の会」から岩崎渉さん(東京大学)が登壇した。お二人からは、困難な状況においても、若手が声を出していくことの重要性が語られた。国の政策や社会などに一方的に責任の所在をみるのではなく、若手自身の反省と行動をもうながす、バランスのとれた考察が必要であるだろう。ポスドク問題の緩和に向けた若手の積極的な連帯が感じられた点で、得るものがあった。

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[ 2010/11/20 01:46 ] 若手アカデミーの活動 | TB(0) | コメント(-)

【報告】首都大学東京での討論会記録

2010年11月17日、首都大学東京(南大沢)にて、福間健二(同大学・表象言語論)、石川知広(仏文学)、岡本賢吾(哲学)、宮台真司(社会学)とともに、映画上映・討論会が実施された(人文・社会系FD委員会部会主催)。討論会の記録を掲載しておきます。(テープ起こし:大宮理紗子)
[ 2010/11/17 23:26 ] 上映報告(国内) | TB(0) | コメント(-)

【アンケート】首都大学東京

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今回は、学生から教員や事務員、一般の方に至るまで、実に多くの濃密な内容のアンケート回答を寄せていただきました。学生運営スタッフや拙演習の参加者などは名前付きで、それ以外は匿名で、そのうちのいくつかを紹介させてください。
[ 2010/11/17 20:03 ] 参加者のアンケート | TB(0) | コメント(-)

【報告】首都大学東京(福間健二、石川知広、岡本賢吾、宮台真司)

2010年11月17日、首都大学東京(南大沢)にて、福間健二(同大学・表象言語論)、石川知広(仏文学)、岡本賢吾(哲学)、宮台真司(社会学)とともに、映画上映・討論会が実施された(人文・社会系FD委員会部会主催)。冬の訪れを告げるような肌寒い小雨模様の天候で、都心から離れた八王子市南大沢での開催だったが、これまでで最高の220名ほどが参加した。実際の準備運営は私と数名の学生らで実施され、その共同作業もまた楽しいものだった。

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討論では、まず監督の西山から、日本、アメリカ、フランス、韓国などをめぐって今回が40回目の上映となることが告げられ、デリダの脱構築が国際哲学コレージュの特徴に即して説明された。

石川知広氏は、かつての東京都立大学の仏文学研究室ではデリダ研究者として足立和浩がいたが、時を経て、やはりデリダ思想を研究する西山が就任したという歴史的経緯を述べた。石川氏によれば、大学には真理と自由が不可欠で、その点では、首都大の図書館壁面に刻まれたヨハネ福音書(8:32)の文句「真理があなたがたを自由にするveritas vos liberabit」は的を射ている。

ただ、この場合、真理とはむしろプラグマティックな真実と言うべきかもしれない。私たちが思考し生きようとする努力の結果として真実は浮かび上がってくる。社会のなかで真実が歪曲されたり隠蔽されたりするなかで、大学の役割と使命は真実を暴いていく点にある。学問的探究はまさに、判断にもとづいた一時的な真実の蓄積であり、それが研究者自身をひいては社会を自由にするのである。

岡本賢吾氏は、「私自身は英米系の分析哲学の研究者に分類され、デリダの敵対者に映るかもしれない。しかし実は、分析哲学のイデオロギー的な諸規定には反対で、むしろ論理学や数学の哲学を幅広く研究している者である」と自己規定から話し始めた。

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本作は映画としては予想以上の出来だったが、しかし、インタヴューィーが展開する紋切り型の哲学観の古さは如何ともしがたい。自らの紋切り型を脱構築することから始めないといけないのではないか。というのも、論理学、数学基礎論、計算幾何学など、現場で先端の理論形成に携わっている人々がまさに哲学的な探究をおこなっているからだ。彼らは、例えば、「無限というものは完結したものか、それとも生成途上にあるのか」といった問いに取り組み、隠れた概念を探し出し、研究の方向性を模索している。なるほど、大学制度におけるタコツボ的な哲学は危機に曝されているかもしれないが、しかし、別の場所で現実に哲学はたしかに進展している。よって、本作で語られている、グローバル資本主義下における哲学の危機と抵抗という見方はきわめて無責任で、政治的にはマイナスである。

宮台真司氏によれば、この美しい映画からはフランスの知識社会学的な文脈がよくわかる。つまり、岡本氏が指摘した、ある種の勘違いが社会的な抵抗を受けずに生き延びることができることがうかがえる。それゆえ、コレージュのような場所でデリダの脱構築が特権化されることに危惧を覚える。

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本作を観て、宮台氏は自身が開いている私塾のことを考えたという。誰かが学ぶとき、たんに知識を獲得したいのではなく、体験を通じた成長の方が重要である。かつては大学にも名物教員がいて、学生が模倣したいと思える対象になっていた(「模倣的感染」)。宮台氏は大学や私塾での教育を通じて、学生が体験を通じて構え(エートス)を習得し、自己の組成を変えていく試みを続けたいとした。

また、宮台氏は哲学と社会学にはよく似ているところがあると指摘。哲学は「暗黙の前提から自由になる」ことを目指し、社会学は「われわれを不自由にしている暗黙の前提がいかに社会を構築しているのか」を解明する点で両者は表裏一体だとした。デリダの脱構築はルーマンのシステムや再帰性と似たところがあり、それは「さまざまな前提を自覚的に配慮し受入れつつ、これを信じない」という終わりのないプロセスである。

映画監督の福間健二氏は、「映画が今ここにあること」について語りたいと口火を切った。外国に行って対話や交流をした結果が研究者の著作となることはあるが、今回は映画作品となり上映運動になり、出来事を生み出してしまっている。しかも、これは最近の傾向だが、家庭用のデジタル・ビデオカメラで低予算で映画作品ができてしまう。その意味で、ひとりの研究者が独特の映像センスによって映画を製作し、巡回上映をおこなっていることはなかなか感動的である。

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福間氏は首都大の歴史にも触れ、都立大学の改革においてまさに制度というものが教員に対して力をふるった経験をほのめかした。しかし、それでもなお私たちが教員を続けているのは、単位やカリキュラムなどの制度的条件に拘束されつつも、それらを超えた〈条件なき大学〉(デリダ)を思い描いているからではないか。少なくとも、人文・社会系の教員なら、誰もがそうした大学像を頭のなかにもっているのではないか。ただし制度的な現実と理想の大学を乖離させておくのではなく、両者を架橋する実践がやはり必要で、そのための具体例として本作から刺激を受けた、と福間氏は語った。

その後も登壇者のあいだで討議が続き、会場からは「哲学と日常生活の関係は?」「普遍的な真理は存在するのか?」「基礎研究の存在意義をいかに説明すればいいのか?」「文系の学生はどうやって数学の哲学に取り組むべきか?」「〈誰かへの愛〉と〈知への愛〉の相違とは?」などの質問が学生から相次いだ。

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今回は首都大生だけでなく首都圏の学生、本学の教員や事務員、一般の方など、遠方では山口や秋田から多くの方々に足を運んでいただいた。懇親会も盛り上がり、学生十数名とは朝まで打ち上げが続いた。首都大学東京の人文社会系にもまだまだ学問的な希望があるということを、他ならぬ学生たちの熱気が証明していた。
[ 2010/11/17 16:54 ] 上映報告(国内) | TB(0) | コメント(-)

映画「哲学への権利」第40回目の上映(@首都大学東京)への招待

映画「哲学への権利」の巡回上映は昨年9月のアメリカ上映から始まりました。日本では12月に本格的な上映を開始し、フランス、香港、韓国を含めて、すでに39回の実施が終了しました。映画とともに実によく旅をした一年です。映画の最後のエンドロールには、これまでのすべての上映会と登壇者、関係者の名前が流れるのですが、感慨深いものがあります。

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3月末の東京大学UTCPを去るときの上映会はひとつの大きな節目でした。次回40回目の上映は本務校の首都大学東京です。都庁による改革を経て開学した首都大学東京では、今年、東京都立大学の名称が消えます。こうした歴史的背景をもつ場所で、人文社会系の教員5名とともに大学や人文学について討論したいと思います。この首都大までの上映・討論の記録がまとめられて、来年2月に勁草書房さんから拙書が刊行されることになっています。巡回上映の旅のクライマックスにみなさんの御来場をお待ちしています。
[ 2010/11/17 01:02 ] 映画の概要・内容 | TB(0) | コメント(-)

本橋哲也編『格闘する思想』

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本橋哲也編『格闘する思想』(平凡社新書)が刊行されました。『週刊金曜日』に連載された好評の対談の書籍化です。萱野稔人、海妻径子、廣瀬純、本田由紀、白石嘉治、岡真理、西山雄二といった若手研究者たちが、新自由主義、国家、労働、ジェンダー、教育格差、パレスチナ、大学制度等について切れ味鋭く論じています。








[ 2010/11/15 23:54 ] 公刊物 | TB(0) | コメント(-)

公開講座「大学・人文学・社会」(@津田塾大学)

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2010年11月4日、津田塾大学で公開講座「大学・人文学・社会」をおこないました。近年、ネット上で進展しているオープン・エデュケーション(講義や教科書の無料公開)の話題から「大学とは何か、大学とは何ではないか」という輪郭を浮き彫りにしようとしました。この講座は学生が準備・運営する科目「綜合」枠で実施されましたが、これは各週でゲスト講師が担当するという興味深い企画です。招聘・準備していただいた学生の方々にはお礼申し上げます。
[ 2010/11/04 19:15 ] 報告・取材記 | TB(0) | コメント(-)

2010年11月上映スケジュール

関連イベント(映画上映はありません)
津田塾大学公開講座『知の冒険~新しい可能性を求めて~』
11月4日(木)13:00-14:30
津田塾大学
特別教室
講演「大学・人文学・社会」 入場無料、一般参加自由

11月17日(水)上映=17.00-18.30 討論=18.40-
首都大学東京
南大沢キャンパス 講堂大ホール(先着順500席)
http://www.tmu.ac.jp/
討論者:福間健二(表象言語論)、石川知広(仏文学)、岡本賢吾(哲学)
    宮台真司(社会学)、西山雄二(仏文学、監督)
主催:首都大学東京人文・社会系FD委員会部会 協賛:日本記録映像振興会
都庁による改革を経て開学した首都大学東京では、移行期間を経て、今年、東京都立大学の名称が消える。歴史的背景をもつこの大学で、映画から出発して人文社会系の教員5名とともに大学や人文学について討論。上映40回目のクライマックス。

関連イベント(映画上映はありません)
11月20日(土)10:30-12:00
日本科学未来館
イノベーションホール(7階)
サイエンスアゴラ2010 シンポジウム「新しい科学技術政策と若手研究者の役割」
登壇者:武市正人、榎木英介、駒井章治、岩崎渉、狩野光伸、西山雄二、竹村仁美、塚原東吾、中村征樹
主催:日本学術会議若手アカデミー委員会
最先端の科学研究を切り開いていく存在として、若手研究者を支援するさまざまな政策がこれまで実施されてきた。また最近では、若手研究者の意見を取り入れる取り組みも登場している。他方で、ポスドク問題をはじめ、若手研究者をめぐる環境が厳しい状況にあることがしばしば指摘されてきた。科学技術政策に若手研究者が積極的に発言することの意義と可能性について議論。
http://www.scienceagora.org/scienceagora/agora2010/program/show/A44
[ 2010/11/01 23:19 ] 上映スケジュール | TB(0) | コメント(-)

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