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映画の上映準備 公式HP映画「哲学への権利――国際哲学コレージュの軌跡」

本ブログでの情報はすべて個人HPに移動しました。今後はそちらでの閲覧をお願いします。⇒http://www.comp.tmu.ac.jp/nishiyama/

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チラシ兼ポスター Ver 2 完成

映画のチラシ兼ポスターの新作が来週、4000部仕上がります。表面は前回と同じデザインですが、最下段に白地余白をつけ、各回の上映告知情報をその都度印字する方式にしました(一般の映画チラシと同じ手法)。他方で、裏面のデザインを大幅に変更しました(以下掲載)。映画へのメッセージと各場面のカットを白地の上に配置する仕様です。

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[ 2010/04/16 22:06 ] 映画の上映準備 | TB(0) | コメント(-)

旅の途上

映画「哲学への権利」は3月27日の東京大学駒場・UTCP上映で第一期の巡回上映が終了しました。これはチラシの裏に掲載した上映日程をすべて終えた区切りということです。昨年夏頃から全国の友人たちに呼びかけて組んだ、一連の上映日程が終了したわけです。

上映とともに討論会を併載して、毎回多彩なゲストに議論の相手をしていただいています。各人の視座から鋭い感想や問いを投げかけていただき、みなさんの寛大な尽力には頭が下がる思いがします。4月の新年度からは、私から上映会を組織するのではなく、むしろ上映依頼によって日程が埋まってきています。そのため、私の力を越えた思わぬ形での上映・討論会が企画されたりもしていて、こちらとしては緊張しつつも嬉しい限りです。

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(会場設営・準備がもっとも緊張する時間。毎回異なる会場と設備なので、その都度、工夫をする必要がある。写真はパリ・国際哲学コレージュでの準備風景。)

これまで、各会場での設営、準備、受付、写真・動画撮影、後片付けなどに関して、全国各地で学部および大学院の学生が協力の手を代わる代わる差し伸べてくれました。彼らのおかげで運営が非常に上手くいっていることにとても驚いていて、感謝の念が絶えません。

「映画の巡回上映、おつかれさまでした」と声をかけられることがあります。しかし、少なくとも秋までは予定が組まれており、上映の旅はまだまだ途上にあります。今年度もこの映画を通じて新たな出会いと発見があることを期待しつつ。
[ 2010/04/11 22:18 ] 映画の上映準備 | TB(0) | コメント(-)

平成22年度科学研究費補助金の採択

平成22年度科学研究費補助金の採択結果が公表され、応募していた課題が内定されました。

基盤研究(B)(H22~24年度)「啓蒙期以後のドイツ・フランスから現代アメリカに至る、哲学・教育・大学の総合的研究」(研究代表者:西山雄二、研究分担者:大河内泰樹、齋藤渉、藤田尚志、宮崎裕助)

私たちは2007年から共同研究「哲学と大学」(UTCP短期教育プログラム)において、哲学者の大学論の批判的考察を積み重ね、その成果を論集『哲学と大学』(未來社、2009年)として刊行しました。次期は、研究対象を独仏啓蒙期および現代アメリカの動向に拡充させます。映画「哲学への権利」の上映・討論会の海外での開催も主要な活動軸となり、韓国、ドイツ、イギリス、中国と巡回上映を続ける予定です。

〈研究目的概要〉
これまでの共同研究「哲学と大学」では、18世紀以来の各哲学者の大学論が批判的に考察され、哲学の営みと大学の制度や理念との関係が問い直された。その発展的継承である本研究の目的は、ドイツ、フランス、アメリカの三地域において、哲学者や思想家の大学論や教育論、学問論を検討し、哲学、大学、教育をめぐる原理的な問い(啓蒙、有用、学際性など)を多角的に考察することである。本研究は、一方で、近代的な大学の黎明期と言える18世紀末から19世紀のドイツとフランスに焦点を絞り、啓蒙思想の源流から教育思想や大学の制度論が浮かび上がって来る歴史的・哲学的な文脈を明らかにする。また他方で、20世紀後半にアメリカで進展した学際性の理念を、デリダの脱構築思想の影響を踏まえつつ、人文学の可能性という視点から反省的に考察する。近代の端緒とポスト・モダンという相反するようにみえる二つの時代において、哲学、教育、大学をめぐる問いを総合的に考察することが本研究の最終的な目的である。
[ 2010/04/02 10:28 ] 映画の上映準備 | TB(0) | コメント(-)

未来形の追慕の方へ

3月は、嬉しいことに、映画出演者3名(ミシェル・ドゥギー、ボヤン・マンチェフ、ジゼル・ベルクマン)の懐かしい顔ぶれと共に討論会を実施することになっている。小林康夫氏、丸川誠司氏を交えて3名と夕食を共にした今夜は実にスリリングだった。主に小林氏とドゥギー氏のあいだで「現在、詩はいかにして可能か」をめぐって議論が戦わされたからだ。「詩は言語を必要とするが、にもかかわらず、言語から解き放たれることは可能だろうか」「詩はエコロジーの問いのなかにその将来を見い出すのではないか」「交渉されるべき環境世界ではなく、さらに深遠な、世界への開かれこそが詩の課題だ」などなど。

ちなみに、この晩餐はたまたま、私の地元・愛媛県の郷土料理屋(@新橋)でおこなわれた。ドゥギー氏がたまたまこの店を気に入っているのだという。懐かしい仲間とともにしばし思郷の念にかられた夜である

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いよいよ、27日(土)には東京大学UTCPにて、映画「哲学への権利」が上映され、出演者ボヤン・マンチェフ氏、ジゼル・ベルクマン氏と共に総括的な討論がおこなわれる。上映運動のひとつのクライマックスをなすイベントになるだろう。
http://utcp.c.u-tokyo.ac.jp/events/2010/03/post_77/

ところで、未来形で追慕の念を語ることは可能だろうか。27日のイベントを最後の仕事として、私はUTCPを去ることになる。やがて私はこの特異な研究教育の場に敬慕の念を募らせていくことになるだろう。27日の上映・討論会ができるだけ充実した会となるように心と力を尽くしたい。
[ 2010/03/22 23:00 ] 映画の上映準備 | TB(0) | コメント(-)

韓国での映画上映・討論会に向けて

2010年3月3日、韓国・延世大学にて国際ワークショップ「批評と政治」が実施されました。これまでも延世大学韓国学術研究院とUTCPは、主に若手中心で共同主催でワークショップを2回実施していて、今回で3回目を数えます。私はチェン・ジョンファン氏(成均館大学)とともに大学問題について発表しました。

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映画『哲学への権利』は韓国でも上映予定です。ただ、韓国ではより念入りに準備をしてから(韓国語字幕版の作成、事前の情報宣伝、新聞・出版関係への告知など)、上映・討論会をしたいと考えています。上映ツアーは2-3年後でしょうか。今回は、韓国の若手研究者たちから上映実施に向けて好意的な返答をいただき、こちらの気持ちに弾みがつきました。

韓国ではいま、富裕層(大企業のCEO、高級官僚、有閑マダム)向けの高額の人文学セミナーが人気を博する一方、ホームレス・性売春被害者・収監者などが人文学講座に熱心に耳を傾けています。こうした「人文学の資本主義的二極化」の狭間で、大学は統制された画一的な競争に駆り立てられています。つまり、「人文学の現場はどこにあるのか」といった問いは現在の韓国においてきわめてアクチャルであり、本作を上映する意義が十分にあることを友人たちと確信しました。
[ 2010/03/03 00:52 ] 映画の上映準備 | TB(0) | コメント(-)

ジゼル・ベルクマンとの打ち合わせ

ジゼル・ベルクマン氏とモンマルトルのカフェで明日の映画上映会の打ち合わせをしました。国際哲学コレージュの実情についても話を聞き、参考になりました。

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今回のフランス上映に合わせて、パリに旅行に来た学生の中真大さん(京都大学)と守屋亮一さん(早稲田大学)も同席しました。中さんからは「自分が出演している映画が日本や他の国で上映されていることについて、どんな気持ちでしょうか?」との質問。「自分のイメージではなく、言葉が見知らぬ誰かと響き合っていることが大切」との返答。守屋さんからは「初めてのパリで、ホームレスや物乞いなどあからさまな貧困を目の当たりにして驚いています。哲学者は貧困にいかに対置できるのか?」との質問。「貧困を直接的に行動したり分析したりではないにしろ、具体的な現実に届くような哲学の実践が必要」との返答。

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(守屋亮一さんと中真大さん)

来3月にベルクマンさんは来日し、UTCPにて26日はワークショップ「フランス現代思想の地平」、27日は映画の討論に参加されます。→ http://utcp.c.u-tokyo.ac.jp/
[ 2010/02/18 06:17 ] 映画の上映準備 | TB(0) | コメント(-)

映画上映のポスター掲示

パリに留学中の友人・河野年広さんたちの心強い協力を得て、今回の映画上映のポスターが市内の要所にとても目立つ形で掲示されていました。また、フライヤーも大量に撒いていただいているようで、情報宣伝の点で大いに助けられています。留学の貴重な時間を割いて尽力していただいたみなさんには、心からの感謝の気持ちで一杯です。

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(国際哲学コレージュの掲示板)
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(L'Harmattan書店の入口)
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(L'Harmattanヴィデオ店)
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(ソルボンヌ大学広場にある哲学専門の老舗Vrin書店)

これまで何度か、日本にいながら、海外で国際シンポジウムを企画・準備・実行したことがあります。メールという迅速な通信手段のおかげで、準備まではうまくいきます。問題は効果的に情報宣伝をおこない、聴衆を集めることです。情報宣伝はやはり現地にいないと上手くいかず、また、往々にして海外の方は宣伝が下手ですから、聴衆はほとんど集まりません。今回は映画上映なので人が集まりやすく、また、国際哲学コレージュの公式イベントでもあるので、是非とも盛会にしたいと努力しています。

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[ 2010/02/17 02:24 ] 映画の上映準備 | TB(0) | コメント(-)

マスコミ・関係者試写会

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12月2日、渋谷UPLINK FACTORYの会場をお借りしてマスコミ・関係者試写会をおこないました。一連の上映に向けて幸先のよいスタートを切りたかったのですが、準備したDVDの不具合から上映が途中で中断されるというアクシデントが起こりました。辛抱強く待っていただいた観客の方々にはお詫びするとともに、即座に適切にサポートしていただいたUPLINKの方々には感謝する次第です。映画は一度上映を開始すると最後まで止めることのできない慎重な作業であることを痛感しました。技術的なトラブルには最大限に配慮して、今後の上映をひとつひとつ実施していかなければならないと心身を引き締め直す夜となりました。


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[ 2009/12/02 23:43 ] 映画の上映準備 | TB(0) | コメント(-)

パリ・国際哲学コレージュでの上映会

Gisèle BERKMAN, Boyan MANCHEVとのメールのやり取りの末、パリ・国際哲学コレージュでの上映会が2月18日に決定した。また、友人たちの貴重な協力のおかげで、他のフランスでの他の上映準備も進められている。国際哲学コレージュの上映会の趣旨文を掲載しておきたい。


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「哲学への権利」
西山雄二(UTCP)氏が製作した映画『哲学への権利』は、国際哲学コレージュにとっての出来事である。コレージュの新旧の関係者におこなわれるインタヴューを通じて、この独特の制度がその歴史、発展、目的に即して検討され、その姿が浮き彫りになる。コレージュで研究するとはどういうことなのか。いかなる仕方で知の生産や共有がおこなわれているのか。思考の場とは何か。コレージュはいかなる点で共同性なのか。1983年の創立当初からコレージュは現存するユートピアを体現してきたが、その現在と未来はいかなるものだろうか。このグローバル化の時代において、人文学の未来、「哲学への権利」の未来はいかなるものだろうか。本作はコレージュという制度に「はるかなる視線」(レヴィ=ストロース)を注ぐだけではなく、歴史、政治、つまりは倫理といった三重の問いかけを投げかけるのである。

"Le droit à la philosophie"

Le film Le droit à la philosophie, réalisé par Yuji Nishiyama (UTCP), fait figure d’événement pour le Collège international de philosophie. Au fil d’entretiens menés avec des membres anciens et actuels du Collège, se dégage le portrait d’une institution singulière, envisagée dans son histoire, son évolution, ses visées. Qu’est-ce que travailler au Collège, quelle production et quel partage des savoirs y pratique-t-on ? Qu’est-ce qu’un lieu de pensée, et en quoi le Collège fait-il communauté ? Quel présent et quel devenir pour cette utopie en acte qu’a pu représenter le Collège lors de sa fondation, en 1983 ? Et quel avenir pour les humanités et le « droit à la philosophie » (Derrida), à l’heure de la mondialisation ? Le film ne se contente pas de porter sur l’institution du Collège le « regard éloigné » cher à Lévi-Strauss : il lui renvoie un triple questionnement historique, politique, et in fine éthique.


[ 2009/11/28 00:55 ] 映画の上映準備 | TB(0) | コメント(-)

フランスでの上映準備とアメリカ上映会の映像作品製作

国際的な学術イベントの準備のために、電子メールはなんとも絶大な威力を発揮します。送信と返信をくり返す中で、企画が練り上がっていき、詳細が明らかになっていきます。しかし、何日も返事が来ないと不安になったり、相手を怒らせてしまったりと、たいへん気を遣う作業でもあります。国際会議は運営上のちょっとしたミスが重大な結果を引き起こしかねませんから、どうしても慎重になります。映画「哲学への権利」は、友人たちの力を借りて、2月のフランス上映に向けて準備が進行しています。パリ、ストラスブール、ボルドーの順に、上映日程・会場・討論参加者を確定していく作業です。

将来の上映会を準備すると同時に、現在、9月のアメリカでの上映会の記録を映像作品として製作中です。アメリカの4つの大学での討論会は充実したものだったので、その議論の一端をしかるべき形で公開したいと考えました。映像公開の承諾を得るために登壇者たちにメールを書いたところ、全員から了承の返事。「完成したら早く観たい」との返信には励まされ、製作につい力が入ります。

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(映像作品「旅の終わりの旅立ちの唄」より)

[ 2009/11/16 02:22 ] 映画の上映準備 | TB(0) | コメント(-)